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 井伏鱒二の『山椒魚(さんしょううお)』はうかつにも川底の岩屋に閉じ込められてしまった山椒魚が主人公である。岩屋から出られなくなったのは自分の判断ミスのせいである▼二年間、岩屋の中で過ごしている間、自分の体の成長に気付か […]

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 締め切りが迫っているのにまったくアイデアが浮かばない。作家にとっては冷や汗ものの状況であろう。なんとしても、原稿用紙のマス目を埋めなければならない▼とにかく行数を増やすための方法にこんなのがあるそうだ。作品の中に兵隊を […]

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 「助(すけ)っ人(と)」という言葉を字引で見れば「加勢する人」「助ける人」であって喧嘩(けんか)や果たし合いの当事者そのものではない。あくまで第三者、部外者ながら助ける人である▼股旅もので雇われた渡世人が「あんたには恨 […]

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 作家のねじめ正一さんがテレビの思い出を書いている。幼い時、父親がなかなかテレビを買ってくれなかったそうだ▼しかたなく自分で作った。古い茶だんすを改造して、紙のチャンネルを張り、テレビだと思い込むようにした。話はこれで終 […]

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 家々の入り口に「子供るす」と書かれた半紙が、なぜか逆さまに張り付けられている。はしかの流行期になると、京の町でそんなおまじないがよくみられたという。医師で評論家だった松田道雄さんが随筆で回想している▼半紙の言葉は、疫病 […]

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大昔からぐらぐらと揺れてきた国土にあって、法隆寺の五重塔は千年以上、立派に立っている。地震で倒壊したという記録もない。法隆寺の宮大工棟梁(とうりょう)だった西岡常一さんはその秘密を「がっしりとした大木」のような設計にある […]

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 作家の安岡章太郎さんは旧制高校受験に三年失敗している。いわゆる三浪である。何年も浪人した経験のある人とない人では「顔つきまでちがうように思われる」と書いていらっしゃる▼「何年も浪人したことのある人はどこかに“落第生”の […]

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 落語の「真田小僧」に出てくる金ちゃんはずる賢い。こづかいをくれぬおとっつぁんにおっかさんの「秘密」を教えてやると持ちかけ、まず一銭、巻き上げる▼「おとっつぁんのいないときに白い服を着て色眼鏡をかけたキザな男が来た」「お […]

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 ミッキーマウスなどの生みの親であるウォルト・ディズニーは休日が嫌いだったそうだ。休日によって仕事のペースが狂わされるのをおそれ、週末が来るたびに「いやになる」とため息をついたという▼休日の観光客でにぎわうディズニーラン […]

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