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ある会社の社長がこんなことを言った。「わが社の製品が使用されないことを望む」▼使われてナンボ、売れてナンボの経営者が自社製品を使ってくれるなとは。ナゾナゾの問題ならば、その社長、武器商人か何かなのだろうが、その会社は実在 […]

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苦しみもだえる男になおも鞭(むち)をふるう。「どうだ、もうちょっといけそうか」。聞いているのは車の御者。この車は人間の苦痛で発電し動く。ときどき、神経が麻痺(まひ)して痛みを感じなくなってしまい、動かなくなる。劇作家ケラ […]

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「天が、この国の歴史の混乱を収拾するためにこの若者を地上にくだし、その使命がおわったとき惜しげもなく天へ召しかえした」。若者とは坂本龍馬。司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』の最終回。近江屋で龍馬が刃(やいば)にたおれる場面で […]

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「政治家は、曲芸師である」と喝破したのは、十九世紀から二十世紀にかけてフランスの政界と文壇で活躍したモーリス・バレスである。「政治家は、実際にやることとは逆のことを言って、バランスをとるのだ」▼わが国の首相も、この手の曲 […]

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沖縄には「艦砲の食い残し」という言葉がある。鉄の暴風と形容された沖縄戦の艦砲射撃で家も家族も食い尽くされた。その食い残しが、生き残った自分たち。言い尽くせぬ悲しみと虚(むな)しさが結晶となった言葉だ▼<♪うんじゅん 我( […]

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豪放磊落(ごうほうらいらく)な人柄で多くの人を魅了した囲碁棋士・藤沢秀行さんと、将棋棋士の芹沢博文さんが、こんな話をしたことがあったという。我々は囲碁や将棋をどれほど分かっているのか。神様が百としたら、どの程度か▼二人で […]

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「パーカッション・メンテナンス」。メンテナンスは修理とか修繕の意味なので、打楽器の修理かなにかかと考える人もいるだろうが、不正解。かつて日本の茶の間でもよく使っていた、「ある技」のことを指す▼その昔のテレビ受像機は古くな […]

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「負けることには、耐えられない。二位に興味はない」。米野球の「球聖」タイ・カッブの言葉という▼勝利にこだわる運動競技や勝負の世界では、二位は「惜しかった人」ではなく、どちらかといえば哀れな「敗北者」と考える傾向があるよう […]

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劇作家の別役実さんの『当世悪魔の辞典』を開けば、「目」は、こう定義されている。<自分自身であることが最も自然に感じられる器官。危険に遭遇して我々が目をつむるのは、そうすることによって我々自身をそこから消し去ることが出来る […]

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幕末の傑物・松平春嶽(しゅんがく)の実子にして、尾張徳川家の十九代目当主・徳川義親(よしちか)氏は、「虎狩りの殿様」と呼ばれた。マレー半島で野生の虎に襲われそうになりつつ、ひるまずに仕留めたという武勇伝のためだ▼そんな「 […]

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