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 七十三歳の史上最高齢で米大統領に再選されたロナルド・レーガン氏は、物忘れがひどくなり、大切な会議の最中に居眠りすることがあったという▼彼は自分の居眠りを、こんなジョークで笑い飛ばした。「私は、国家の一大事であればいつい […]

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<自由と独立と己(おの)れとに充(み)ちた現代に生れた我々は、其(その)犠牲としてみんな此淋(このさび)しみを味はわなくてはならないでせう>▼夏目漱石が名作『心』の一節に、そう記したのは、百年以上も前のことだ。近代化は古 […]

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風は冷たいがよく晴れた日曜日、近所の川沿いの道を散歩していて、こんな光景を見た▼こざっぱりした身なりの初老の男性が柴犬を連れて歩いている。犬が用を足すと、男性はすかさずバッグから小さなポリ袋を取りだし、ふんを入れた…と、 […]

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2018年1月17日 <風邪の大安売り>。街角でそう書かれた紙切れを見つけたとしても手に取らない方がよいだろう。何のことかといえば、風邪を治すためのかつてのおまじないだそうだ。常光(つねみつ)徹さんの『しぐさの民俗学』の […]

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「桐島、部活やめるってよ」などの作家、朝井リョウさんが大学の期末試験の思い出を書いている▼問題を見るやいなや、人生で初めて絶句したそうだ。問題の内容が「どこからどう見ても分からない」。同じ試験に臨んだ友人にいたっては本当 […]

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マルクス兄弟の米コメディー映画「オペラは踊る」(一九三五年)。製作はメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)なので冒頭にはおなじみのライオンが吠(ほ)えるロゴが出るところだが、出ない。マルクス兄弟の面々がライオンのまね […]

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いよいよ冷え込んできた。大寒(二十日)も近い。日曜である。晩ご飯は家族で鍋でもというお宅もあるだろう▼鍋でおかしな場面を思い出す。つかこうへいさんの小説『蒲田行進曲』。映画スターの倉丘銀四郎が売れない大部屋俳優たちにすき […]

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「雪は天から送られた手紙である」とは中谷宇吉郎博士の名言だが、雪の結晶を「優美な象形文字」と呼んだのは、雪の研究に六十六年の生涯を捧げたウィルソン・ベントレーだ▼米国北部に生まれた彼は少年時代に雪の結晶の魅力にとりつかれ […]

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妊婦さんのおなかがとんがるように突き出したら男の子。妊婦さんの顔がやさしくなったら女の子…。生まれてくる子は男か女か。迷信の類いは多々あるがウミガメの世界には明瞭な決まりがあるらしい▼孵卵(ふらん)の温度が二九度より高け […]

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「権助魚(ごんすけざかな)」「権助提灯(ごんすけぢょうちん)」に、「悋気(りんき)の独楽(こま)」…。落語には嫉妬を明るく笑う噺(はなし)が少なくないが、そんな噺のまくらによく使われるのが、こんな文句。<焼きもちは遠火に […]

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