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 「…………。結局、なんていうのか。………………。よく分かりませんね。………。…………。………。時々-。……………………」▼パソコンの不調ではない。小説の一部を写している。実際の「…」はもっと長く、一ページ近く続いている […]

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 落語家の林家たい平さんが雨宿りをしていたときの話だそうだ。かなり強い雨だった。たまたま茶髪の「兄ちゃんと姉ちゃん」も雨宿りしていた。「兄ちゃん」が強い雨にこう言った。「すげえなぁオイ。飛ぶ鳥を落とすような勢いの雨だな」 […]

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 テニスを題材にした山本鈴美香(すみか)さんの「エースをねらえ!」の「週刊マーガレット」連載開始は一九七三(昭和四十八)年というから半世紀近く前になった。当時、テニスの知識、情報は今ほど一般的ではなく、15、30、40と […]

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 インドのとんち話にこんなのがあるそうだ。ある夜、家に盗っ人が押し入った。だが、番犬は吠(ほ)えなかった。ロバがなぜ黙っていたのかと注意した。犬は「これまで再三、吠えたが、主人が褒めたことはない」と答えた▼別の晩、また盗 […]

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 米航空宇宙局(NASA)が二〇一一年におもしろい発表をしている。題名は「NASA研究者が選んだ科学的にもっともらしいSF映画ベスト・ワースト」▼ベスト部門一位は米映画の「ガタカ」(一九九七年)である。遺伝子の改良によっ […]

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 仙人がある酒館に行くと主人が酒を気前よく出してくれた。しかも、お代を取らない。仙人はその後もたびたび訪れては酒をごちそうになっていた▼数年後、仙人が「酒代もだいぶたまったでしょう。今日は少し払いましょう」と言い、何を思 […]

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 シェークスピアは『ハムレット』で書いている。<神がひとつの顔をお与えになり、人がこれを別の顔にする>。天与の才は人それぞれ。大切なのはどう生かすか。そんなふうに読める▼権藤博さん。飛び抜けた才能を授かった野球人だろう。 […]

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 江戸幕府の老中、田沼意次(おきつぐ)は将軍の不興を買って失脚したのちに、神仏にあてた「上奏文」を書いて、身の潔白を誓っている。<あえてご不審をこうむるべきこと、身に覚えなし>。藤田覚著『田沼意次』などに学んだ▼賄賂好き […]

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 古今集にある春の歌である。<ことならば咲かずやはあらぬ桜花(さくらばな)見る我(われ)さへに静心(しづごころ)なし>紀貫之。散ってしまうなら、いっそ咲かなければいいのに、なまじ咲くから心が乱れるではないか▼花の盛りの美 […]

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 その学生は友人と話し込んでいたそうだ。その時、空襲を受けた。学生は本来入るべき防空壕(ごう)ではなく、友人の入る防空壕にやむなく逃げた▼空襲後、自分が入るはずだった防空壕を見に行った。中にいた者は死んでいた。「ばかやろ […]

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