師走の忙しい時期に気が引けるのだが、ナゾナゾを一問。問「セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン。この中で笑ったり、泣いたり、怒ったりするのはどれでしょうか」。おなじみのコンビニエンスストアの名前だが、泣く、笑う、怒るって?▼答えは「ローソン」だそうだ。そのココロは三店の中で唯一、人間=人の名前を持っているからというのがオチ。ローソンの店名の元は米国人のJ・J・ローソンさん。一九三〇年代、米オハイオ州で牛乳を売っていたお店がローソンの始まりと聞く。そういえば、お店で見かける、青い看板の中にもミルク缶がある▼「人間はどれ」を問う、このナゾナゾもますます分かりにくくなる話題である。その人間の名を持つローソンが早朝、深夜に限って、接客従業員がいない「無人店」を来春、首都圏にオープンさせるという▼自分のスマートフォンで商品のバーコードを読み取ることで精算するそうだ。人手不足や人工知能の進歩によって無人店は増えていくだろう▼ローソンの名は短く、短歌や俳句に使いやすい。<砂漠で見る幻のごとローソンの青き看板灯(とも)りていたり>は、笹公人さん(歌集『念力ろまん』収録)▼孤独という砂漠の中でやっとたどり着いた、その店からもやがて人はいなくなる。ミルク売りのローソンさんが予想もしなかっただろう時代がやってくる。