会合や食事の会などの誘いに対する「行けたら行く」。幹事役を務める人にとっては、なかなかやっかいな返事で、出席するのかしないのかよく分からない▼関西ではかなりの確率で「行かない」と同じ意味と聞き、驚いたことがあるが、地域や人によっては、そうとも限らぬ▼現状では出席は困難だが、なんとか調整した上で行こうとは考えている。ただ、無理な場合は許してほしい。こういう複雑な意味を込めた、善意の「行けたら行く」も確かに存在する▼平昌五輪開会式への出席を韓国政府に要請されていた安倍首相。当初は「国会日程を見て検討したい」と、おそらくは関西風の「行けたら行く」の立場だったかもしれないが、きのうになって出席の意向を表明した▼慰安婦問題での韓国の対応が不愉快な日本政府としては抗議の意味を込め、開会式への出席を見送るべきだとの意見もあったが、最終的には常識論に軍配が上がったか。開幕直前になっての出席表明はともかく、政治とは切り離して考えるべき平和の祭典である。胸のうちはどうであれ、招かれれば出席するのが、度量の広い、大人の対応であろう▼腹にすえかねることがあるのならば、思いのたけを訪韓時の首脳会談で面と向かって言えばよい。話し合えばよい。腹が立つからとあてつけがましくふて寝してみたところで問題解決の糸口はつかめまい。