<アイ・ラブ・ユー。できるか青年><燃えるような恋をしろ><青年!行け>。いずれも映画「男はつらいよ」の寅さんのせりふから集めた。恋に悩む若者に対する寅さんの指導方法は自分のことは棚に上げ「当たって砕けろ」「なんとかなる」と強気である▼いくら寅さんでもこの件では「ぐずぐずしてないで早くいっしょになっちまえばいいのよ」と無責任な助言はできないか。ことは普通の若い二人ではない。秋篠宮家の長女、眞子さま(26)と大学時代の同級生の小室圭さん(26)のお二人。十一月予定の結婚式を突然、延期した▼驚き、心配の半面、結婚の意思に変わりはないと聞く。結婚の儀式や結婚後の生活について、十分な準備を行う時間的余裕がなかったというお二人の説明通りならば、心配は無用だろう▼されど、どうも気になってしまうのは、二年というその延期期間の長さだろう。比較は無意味と承知だが、普通の若いカップルが結婚式を突然、二年も延ばしたと聞けば、あまり、めでたい予感はしない▼宮内庁は否定するが、週刊誌で報じられる小室家をめぐる金銭トラブルの影響もあるのか。事情は分からぬが、今回の延期が単なる延期であることを願う▼<重くなるとも 持つ手は二人 傘に降れ降れ 夜の雪>。古い都々逸が浮かぶ。二年の雪の重さにも焦らず、幸せへの道を歩んでいただきたい。