米国では、大学一年生のことを「FRESHMAN」(フレッシュマン)と呼ぶ。以下、二年生は「SOPHOMORE」(ソフォモア)、三年生は「JUNIOR」(ジュニア)、四年生は「SENIOR」(シニア)。数字を使わずに表現する▼興味深いのが二年生の「ソフォモア」の語源。一説によるとギリシャ語の賢さ(SOPHO)と愚かさ(MOROS)を組み合わせた言葉らしい。賢さで成功するか。愚かな失敗をするか。分かれ目になる大切な時期という意味かもしれぬ▼けがもあったが、上出来の「フレッシュマン」の一年だった。大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手。アメリカン・リーグの最優秀新人(新人王)に選出された▼規定打席、規定投球回数には届かなかったものの、ベーブ・ルース以来の投打二刀流のインパクトが米国でも評価されたのだろう▼さて来年の二年目。「ソフォモア・スランプ」とはデビュー一年目に活躍をした選手が二年目に不振に陥ること。いわゆる「二年目のジンクス」である▼来年は打者に専念するそうだが、相手も研究してくるだろう。「一番難しいのは継続することだ。去年できたのだから、またできると知らぬ間に気が緩む」。かつてのドジャースの名将ウォルター・オルストンの野球格言。世界一の野球選手を目指し、「賢さ」を選ぶ若者には不要な助言だった。