七月二十五日はかき氷の日だそうだ。7・2・5で「夏氷」の語呂合わせになるのと、一九三三年七月二十五日、山形県で当時最高気温となる四〇・八度を記録したことから、この日を選んでいるらしい▼その山形の記録。二〇〇七年まで七十四年守られた記録で子どものとき、日本の最高気温といえば、山形と教えられて覚えた人は多いはずだ▼これを〇七年に埼玉県熊谷と岐阜県多治見が塗り替え、それを一三年に高知県江川崎(四万十市)が追い抜いた。そして昨日、熊谷がまた新記録である。四一・一度。陸上競技記録ならともかく命にかかわる最高気温の新記録にげんなりする。語呂合わせで七月二十三日を「なにさ」と読み、すねたくもなる▼お気づきだろうが、記録更新のペースが早まっている。気象庁の最高気温の上位を見れば、大半は二〇〇〇年以降の記録である。温暖化による記録ラッシュ期か。この分では昨日の熊谷の記録も来年か再来年、ひょっとしたら、この夏中にも過去のものになるかもしれない▼熱中症による死者や体調不良を訴える人が後を絶たぬ。ただ気をつけてと訴えるだけでは被害は収まるまい。涼しい場所を確保しにくい人もいる▼国・自治体は異常な暑さを大規模自然災害並みにとらえ、高温からの避難所を設置するぐらいの対策を考えた方がいいかもしれぬ。この暑さ、まだまだ続く。