今日の東京新聞
今日の筆洗

「空」という字は、小学校一年で習う八十の漢字の一つだ。「母」という字は、二年で習う百六十字のうちの一つ。どちらも、この世界を成り立たせているものを表す大切な字だ▼ちょっと、想像してみていただきたい。私たちが漢字を覚え始め […]

続きを読む
今日の東京新聞
今日の筆洗

宮城県東松島市の野蒜(のびる)小学校の体育館は、その時、洗濯機のようだったという。大きな揺れの後、体育館には児童や住民ら三百人ほどが避難していた。そこを津波が襲ったのだ▼ピアノも人も津波が生んだ渦にのまれた。三人の子とと […]

続きを読む
今日の東京新聞
今日の筆洗

<捨てる。/捨てない。/忘れる。/忘れない。/戻る。/戻れない。/帰りたい。/帰れない。/遠い。/近い。/どうする。/どうしようもない。/陽炎の/向こうに。/ゆれて見える。/わが故郷。>▼これは、福島県相馬市に住む根本昌 […]

続きを読む
今日の東京新聞
今日の筆洗

共生とは何か。動物生理学の研究者・本川達雄(もとかわたつお)さんは、近著『ウニはすごい バッタもすごい』(中公新書)で、こう定義している▼<異なる二種の生物が、同じ場所で互いに緊密な結びつきを保って生活していること>。共 […]

続きを読む
今日の東京新聞
今日の筆

その昔、寄席の楽屋に一枚の紙が張ってあったそうだ。題は「噺家(はなしか)売れる秘訣(ひけつ)五カ条」。一九六〇年代か。内容は、一、素人口調であること、一、内容は支離滅裂にすべきこと、一、ちゃんとした噺をやらぬこと-等▼若 […]

続きを読む
今日の東京新聞
今日の筆洗

次の率直な文では人を傷つけてしまいます。もっと遠慮がちな文に改めてください。例題その(1)「彼はいやなやつなので、私は付き合いたくない」▼「バカに見られないための日本語トレーニング」(樋口裕一さん・草思社)から引いた。か […]

続きを読む
今日の東京新聞
今日の筆洗

これこそ、命名の妙というものだろう▼天王星の発見という偉業を成し遂げたウィリアム・ハーシェルは十八世紀末、土星の衛星を立て続けに見つけた。そのうちの一つを「エンケラドス」と名付けたのは、彼の息子ジョン・ハーシェルだ▼エン […]

続きを読む
みんなで防犯
みんなで防犯

続きを読む
今日の東京新聞
今日の筆洗

小学校一年生の最初の算数の授業。先生は黒板にチョークで丸を書き、配った答案用紙に同じものを書いてごらん、と言った。皆すぐに答えを書いて、ハイ、ハイと手を挙げたが、一人だけ手を挙げない子がいた▼先生はその子のそばに行くと、 […]

続きを読む
今日の東京新聞
今日の筆洗

エノケソ、土(ド)ノケン。「エノケン」の愛称で知られる昭和の喜劇王、榎本健一(一九〇四~七〇年)の「ニセモノ」たちの名である。戦後の一時期、本物の人気に便乗し、紛らわしい芸名で地方を回る一座が複数いたという▼三谷幸喜さん […]

続きを読む