今日の東京新聞
10//31 今日の筆洗

 木守(きも)り柿とは、木の梢(こずえ)に一つだけ、あえて取らず残しておく柿の実のことである。残し柿ともいう。木枯らしに揺れる柿の実一つとは、寂しい風景にも映る▼こんな意味があるそうだ。一つは来年もまた柿がなりますように […]

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10/30 今日の筆洗

『兎(うさぎ)の眼』『太陽の子』などの作家、灰谷健次郎さんの小学校教員時代は今の感覚からすれば、相当、風変わりである。たとえば、入学式の服装。上着は着ているが、下はTシャツで、ネクタイは締めない▼「その服装はなんですか」 […]

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10/29 今日の筆洗

 夏の日。花柄のワンピースを着た女の子がお母さんと手をつないで歩いている。「僕」が追い抜こうとすると、女の子が大きな声で言った。「あのね私、お母さん大好きよ」-。「そしてお父さんもね」▼お母さんはちょっと恥ずかしかったの […]

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10/28 今日の筆洗

『文学効能事典』(E・バーサドほか著)は、病や悩みに効く古今東西の小説を紹介する案内書だ▼たとえば、憎しみを感じるときの特効薬はオーウェルの『一九八四年』で、恋愛ができなくなったときに効くのは村上春樹著『1Q84』。なる […]

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10/27 今日の筆洗

プロ野球の伝説の左腕・江夏豊さんは、高卒後は大学に進むつもりだった。本当に自分がプロで通用するのか、自信が持てなかったからだという▼ドラフト会議で阪神から一位指名されても、進学の意思は固かった。温和な人柄で「仏のカワさん […]

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10/26 今日の筆洗

ソ連でスターリンへの個人崇拝が盛んだったころ、人々は彼を称賛するプラカードを手に集会に参加した。ある老人が書いたのは、こんなひと言。「同志スターリンに感謝! あなたのおかげで我々の子どものころは、とても幸せでした」▼それ […]

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10/24 今日の筆洗

ソプラノの美声に恵まれた十一歳の英国の少年は聖歌隊の一員に選ばれた。ソプラノは花形で授業も一部免除され、エリザベス女王の前で、歌声を披露する名誉にも与(あずか)った▼悲劇は二年後である。指揮者が聖歌隊から排除した。理由は […]

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10/23 今日の筆洗

『セールスマンの死』などの米劇作家アーサー・ミラーは遅筆で知られた。奇妙な習慣のせいである。朝、起きる。仕事場へ出かける。昨日までに書いた原稿を見る。破り捨てる▼時間がかかるはずである。ミラーによると破ることで心の中に何 […]

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10/21 今日の筆洗

静岡大学の狩野芳伸准教授らは、広告のコピーを考える人工知能(AI)をつくった。数千ものコピーやことわざを学習したAIは、瞬時に膨大な数のコピーを作り出す▼このAIに「選挙」「投票」といったお題を与えたら、こんなコピーが生 […]

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10/20 今日の筆洗

内戦が続く南スーダンやアフガニスタン。エボラ出血熱が猛威をふるった西アフリカ。国際的な医療支援団体「国境なき医師団日本」会長の加藤寛幸さん(51)は、世界各地の過酷な現場で働いてきた▼そんな加藤さんが「あれほどすさまじい […]

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