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 米国ミネソタ州のミネアポリス郊外にアノーカという町がある。人口約二万人の小さな町だが、あることで有名になっている。「世界のハロウィーンの首都」なのである▼その理由は一九二〇年代にさかのぼる。ハロウィーンといえば仮装やい […]

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 米国のスーパーのレジでもめた経験がある。問題は支払いの後で起きた。店員の質問が怪しいのだ。「プラスチック・オア・ペーパー?」(プラスチックなのか、紙なのか)▼クレジットカードをプラスチックと表現することも、あるのか。だ […]

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 映画監督の黒澤明さんの小学生時代のあだ名は、「こんぺと(金平糖(コンペイトー))」。<こんぺとさんはこまります いつも涙をポーロポロ>。当時そんな歌があったそうで黒澤少年はそう囃(はや)されていじめられていた▼ドッジボ […]

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田中正造は「手紙」を手にして、天皇の馬車に向かった。明治三十四年の直訴である。取り押さえられ、目的を果たせず終わった田中に、理解者の新聞社幹部がかけた言葉が日記にある。<一太刀受けるか殺さ(れ)ねばモノニナラヌ>(『通史 […]

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 シロツメクサは江戸時代にオランダから入ってきた帰化植物だ。「ぎやまん」と呼ばれた貴重なガラス製品を傷つけないために詰めたそうだ▼名前もそこからついた文字通りの詰め物であったが、現代では英名の「クローバー」として、「幸福 […]

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 井伏鱒二の『山椒魚(さんしょううお)』はうかつにも川底の岩屋に閉じ込められてしまった山椒魚が主人公である。岩屋から出られなくなったのは自分の判断ミスのせいである▼二年間、岩屋の中で過ごしている間、自分の体の成長に気付か […]

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 締め切りが迫っているのにまったくアイデアが浮かばない。作家にとっては冷や汗ものの状況であろう。なんとしても、原稿用紙のマス目を埋めなければならない▼とにかく行数を増やすための方法にこんなのがあるそうだ。作品の中に兵隊を […]

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 「助(すけ)っ人(と)」という言葉を字引で見れば「加勢する人」「助ける人」であって喧嘩(けんか)や果たし合いの当事者そのものではない。あくまで第三者、部外者ながら助ける人である▼股旅もので雇われた渡世人が「あんたには恨 […]

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 作家のねじめ正一さんがテレビの思い出を書いている。幼い時、父親がなかなかテレビを買ってくれなかったそうだ▼しかたなく自分で作った。古い茶だんすを改造して、紙のチャンネルを張り、テレビだと思い込むようにした。話はこれで終 […]

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 家々の入り口に「子供るす」と書かれた半紙が、なぜか逆さまに張り付けられている。はしかの流行期になると、京の町でそんなおまじないがよくみられたという。医師で評論家だった松田道雄さんが随筆で回想している▼半紙の言葉は、疫病 […]

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