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「権助魚(ごんすけざかな)」「権助提灯(ごんすけぢょうちん)」に、「悋気(りんき)の独楽(こま)」…。落語には嫉妬を明るく笑う噺(はなし)が少なくないが、そんな噺のまくらによく使われるのが、こんな文句。<焼きもちは遠火に […]

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映画「二十四の瞳」などの木下恵介監督は口述筆記で脚本をまとめていたようだ。ある夜、熱海の仕事場で助監督にせりふを書き取らせていたが、この助監督のもとに子どもが生まれたと連絡が入る。「ここはいいから、行ってあげなさい」▼監 […]

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 脚本家の向田邦子さんが高等女学校の編入試験を受ける日の朝、向田さんのお父さんが見た夢が切実である▼なんでも向田さん、盲腸の手術の直後で、体操の試験を免除してもらえるように頼んでいたが、お父さんはよほど心配していたか。夢 […]

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長嶋茂雄選手のまねはそれほど難しくない。ややバットを短く持って、低く低く縮こまるように構える。そこからフルスイングして、帽子を飛ばす。王貞治選手のまねで大切なのは一本足よりも打った後の大きなフォロースルー。そしてゆっくり […]

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「言葉のダシのとりかた」に「サンタクロースのハンバーガー」、それに「絶望のスパゲッティ」のつくりかた…。長田弘さんは、実に愉快なレシピを詩にした▼たとえば「言葉のダシのとりかた」は、<言葉が鍋のなかで踊りだし、/言葉のア […]

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<この中には/冗談が入っているわけではない/全て怒りの塊だ/だから黒い袋一つの重さは/それぞれの家で若干異なるものの/大きな違いはない/ぎゅうぎゅうに詰め込んだ怒りが/廃棄物となって固まっている>▼これは福島県いわき市に […]

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米映画「サイコ」(一九六〇年)のシャワー室の場面といえば、バイオリンによる「キッ、キッ、キッ、キッ」の音楽を思い出し震える▼作曲はバーナード・ハーマン。メロディーなし、断続的なリズム、高音、不協和音が恐怖を引き出すらしい […]

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戌(いぬ)年でもあり、おめでたき、江戸伝統の「笊(ざる)かぶり犬」を買い求めた方も、いるのではないか。犬が笊をかぶせられ、キョトンとする姿がかわいらしい。この「笊犬」、笑いとおおいに関係がある▼犬が竹笊をかぶっている。そ […]

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明けましておめでとうございます。 今日の筆洗です。

謹賀新年。一九五八(昭和三十三)年といえば二〇一八年から数えて、ちょうど六十年前である。石垣りんさんにこんな詩がある。「女湯」。<一九五八年元旦の午前0時/ほかほかといちめんに湯煙りをあげている公衆浴場はぎっしり芋を洗う […]

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世界には、奇妙な法があるものだ。米国のジョージア州のある町には「フライドチキンは手で食べるべし」という条例があり、フォークを使うと逮捕される可能性もあるという▼伝統を大切にする英国には恐ろしく古い法も残っていて、たとえば […]

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