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ロシアのマトリョーシカ人形は一九〇〇年のパリ万国博覧会に出品され人気となったのがきっかけとなり、国内のあちこちで作られるようになったというからその歴史はさほど古くない▼こんな説がある。あるロシア人が入れ子式の人形を日本で […]

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両親は将棋を指さないので家には将棋盤も駒もなかった。将棋の存在を知ったのは小学校一年の友人の家。それも最初はまわり将棋やはさみ将棋。高度成長期前後の子どもとあまり変わらぬ将棋の「初手」である▼小学二年で将棋クラブに入った […]

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米作家ウィリアム・アイリッシュの推理小説『幻の女』の中にたばこを使ったトリックがある。三本のたばこを一本につなぎ合わせて火を付ける。詳細は伏せるが、これで時間をごまかすアリバイ工作である▼たばこをたしなむ方なら、なんとま […]

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ドラマ「想い出づくり」などの演出家、鴨下信一さんが昭和の流行歌についてこんなことを書いている。一九六〇年代の後半、フォークソングは古い流行歌の世界を内側から征服し、混じり合い、新しい歌の主流を形成していった-。例として、 […]

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COMPLICIT」とは英語で「加担」「共謀」を意味する形容詞であまり良い意味には使われない。悪いこととは知りながら、それに手を貸すニュアンスがあるそうだ▼海外の英語辞書サイト「ディクショナリー・ドットコム」が二〇一七年 […]

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なぜ、憲法記念日は五月三日なのか。法制局長官として新憲法制定に尽力した入江俊郎氏が著書に、こんな述懐を残している▼新憲法の施行日が決められたのは、一九四六年十月の閣議。翌年の五月一日にとの案には、「メーデーだから具合が悪 […]

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学校の制服廃止。そんな驚きの方針を国が打ち出したことがある▼第一次大戦の余波で物価が高騰し、米騒動などが起きたのを受けて、文部省が一九一九年に、保護者の負担を軽減するため、「中等程度以下の学校」での制服廃止を決めたのだ▼ […]

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旧大名家に生まれて伯爵となり、戦後は横綱審議委員会の初代委員長を務めた酒井忠正氏は相撲の妙味の一つは、「勝つか負けるかの土俵の上で恩を返し返される」ことだと説いていた▼酒井氏がその好例に挙げたのが、大横綱・太刀山の恩返し […]

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<間もなく新宿行き快速電車がまいります。そのまましらばくれてお待ち下さい><車内では席をゆすり合いましょう>。井上ひさしさんの作品には言葉の病(無論、想像上の)にかかる人がよく描かれる▼「しばらく」を「しらばくれて」と口 […]

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<メトロを降りて階段のぼりゃ 霧にうず巻くまぶしいネオン いかすじゃないか 西銀座駅前>-。いかすじゃないかのフレーズがいかすじゃないか。フランク永井さんの低音がよみがえる「西銀座駅前」▼忘年会シーズンはまだ先とはいえ、 […]

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