9/22 今日の筆洗
ブレヒトの戯曲『肝っ玉おっ母とその子どもたち』の主人公アンナは、長く果てしなく戦争が続く十七世紀のドイツで、軍隊に付いて回っては、兵士らに酒や服などを売る行商人だ▼軍隊を相手に稼いでいるからこそ、悲惨でまやかしに満ちた現 […]
9/21 今日の筆洗
その人が正しい判断をしなければ、われわれは今、生き延びているのだろうか。ちょっと、おどかしすぎかもしれぬ。それでも、「一歩間違えば」の事態は実際に起きた。その危機を食い止めた「世界を救った男」が五月に亡くなった。旧ソ連軍 […]
9/20 今日の筆洗
今からちょうど五十年前、米軍の司令官は、核攻撃の準備に入っていた。弾道ミサイルを探知するためのレーダーが突然、機能を停止したのだ▼原因は不明。ソ連の仕業ではないか。ならば、弾道ミサイルで攻撃される前に、核兵器を搭載した爆 […]
9/17 今日の筆洗
先日、大型ハリケーン「イルマ」が米国を襲った際、ハリケーンに向けて銃を発砲しようという呼びかけが広がり、当局が絶対にやめてと訴える騒ぎがあった。ハリケーンへの恨み、ストレスも分からぬではないが、詮ない上に危険極まりない。 […]
9/15 今日の筆洗
「子孫へは教育を遺(のこ)し沢山(たくさん)なり」と説いたのは、福沢諭吉である▼子孫に遺すべきは、教育に尽きる。金を遺すと害になるから一銭も遺さぬ。自分も金銭には余裕ができたが、子にさえ与えぬものを他人にやるわけにもいか […]
9/14 今日の筆洗
映画監督のアルフレド・ヒチコックがドキュメンタリー映画についてこんなことを言っている。「劇映画では監督は神である。ドキュメンタリー映画では神は監督である」▼「神」を「事実」「現実」に言い換えた方が分かりやすいか。あるがま […]
9/13 今日の筆洗
晩年の古今亭志ん生さんはお医者にお酒を止められていたものの、欲しくてたまらない。困った家族は相談し、飲ませることにしたそうだ▼当然ながら、そのまま飲ませては体に障る。日本酒をこっそり水で薄めて出していた。事情を知ってか知 […]