2017年5月14日
その俳優の母上はとにかく、息子をほめるのだそうだ。「おまえは本当に役者に生まれてきたような子だよ」「おまえはなんてうまい役者だろう」「おまえは最高だよ」。「蒲田行進曲」「熱海殺人事件」などの風間杜夫さんのおかあさん▼ある […]
2017年5月12日
辞書編集の世界には、「めぐり」という言葉があるという。例えば、「有様(ありさま)」という言葉を辞書で引くと「状態」とあり、「状態」を引くと、「有様」。定義づけの堂々めぐりである▼辞典作りに生涯を懸けた国語学者の姿を活写し […]
2017年5月11日
韓国映画「国際市場で逢(あ)いましょう」(二〇一四年、ユン・ジェギュン監督)は本国では国民的映画だが、日本でも人気が高い▼理由は日本人の過去ともどこかで重なるせいかもしれぬ。朝鮮戦争中の一九五〇年。ある家族が戦火を逃れ、 […]
2017年5月10日
「あの人今これなんだって、ラーヂーポンポン、七カ月」。意味がすんなりと分かる方は六十歳以上か▼ラーヂーとは英語のLARGE。ポンポンはおなか。すなわち、妊婦さんとか妊娠中という意味になる。最近ではめったに聞かぬ▼日本映画 […]
2017年5月9日
フランス語で最も長い単語は長らく、二十五文字を要するこの言葉とされてきた。anticonstitutio (アンティコンスティテュシオ)nne(ネ)ll(ル)eme n(マン)t。書き写すのもいやになるが、和訳すれば、 […]
2017年5月6日
夏目漱石は自転車が苦手だった。一九〇二年、ロンドン留学中に勧められ、稽古したものの<大落五度小落はその数を知らず、或(ある)時は石垣にぶつかって向脛(むこうずね)を擦りむき(中略)その苦戦云(い)うばかりなし…>と「自転 […]
2017年5月4日
<そらのみなとみずのみなとかぜのみなとゆめのみなとに種はこぼれる>は、やすたけまりさんの歌集『ミドリツキノワ』にある一首だ▼わが家の猫の額のような花壇で今、目を楽しませてくれている野の草は、マツバウンランにニワゼキショウ […]