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<いるかいるか/いないかいるか/いないいないいるか/いつならいるか/よるならいるか/またきてみるか>▼谷川俊太郎さんの「いるか」。イルカと「居るか」を掛け合わせた言葉遊びがゆかいで、子どもたちに人気のある詩である▼イルカ […]

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「ナオミ」という女性の名前は日本以外でも一般的でよく耳にする。英国モデルのナオミ・キャンベルさん、英国女優のナオミ・ワッツさん。古い歌謡曲ファンならイスラエル出身のヘドバとダビデの「ナオミの夢」を思い出す方もいるか▼谷崎 […]

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 <闇があるから光がある>。作家小林多喜二は若いころ、恋人にあてた手紙でそう書いた。北海道小樽市の飲食店で、家族の借金のため、苦労して働いていた不遇の女性だ▼手紙は続く。<闇から出てきた人こそ、一番ほんとうに光の有難(あ […]

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 濃い、淡い緑が広がっているはずなのに、地肌の茶色があちこちでむき出しだ。巨大な爪にそこらじゅう引っかかれたかのような北海道厚真町の姿に驚きと恐怖を覚え、助けを待つ人々の無事を祈る。びっしりと植えられた木々の下から、冷た […]

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 泣きっ面にハチ、踏んだり蹴ったりなど凶事が重なることを意味する日本語の言い方は多いが、英語の慣用句は雨と関係する。「IT NEVER RAINS BUT WHAT IT POURS」。「降れば土砂降り」と暗記した人も多 […]

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 <まだ青い素人義太夫玄人(くろ)がって赤い顔して黄な声を出し>-。蜀山人(しょくさんじん)(大田南畝(なんぽ))の狂歌と伝わる▼思い出すのは落語の「寝床」。旦那が下手な義太夫を長屋の店子(たなこ)や店の者にむりやり聞か […]

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カクテルの「王様」、マティーニの作り方はおおよそジンが「三」に対して、ベルモットが「一」でこれよりもジンの割合が高いものがドライ・マティーニとなる▼ヘミングウェーの小説「河を渡って木立のなかへ」にかなり辛口のマティーニを […]

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 <天井のあたりに音がしたと思つたとたんに、激しい揺れと家鳴り…そこいらじゆうが埃(ほこり)くさい空気になつた>。十九歳で関東大震災にあった作家幸田文は小説『きもの』で、その時を生々しく描いている▼町に火が上がる中、主人 […]

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 多くの小中学校で夏休みの終わりが近づき、図書館がいつもの年のようににぎわっていた。およそ四十日間の自由の代償ともいえる宿題と最後まで格闘する子も多いはずだ▼作家安岡章太郎にも格闘の経験がある。小学生の時、夏休みの最終日 […]

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 世界には日本語に翻訳しにくい言葉がある。カリブ・スペイン語の「コティスエルト」。この一言で、日本語にすれば「シャツの裾を絶対ズボンの中に入れようとしない男の人」という意味になるそうだ。『翻訳できない世界のことば』(創元 […]

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