2018年3月30日
たとえば、地下鉄のストで大混乱が予想される時。あるいは水害の被災地が復興に立ち上がる時。英国では、よくこんな言葉が語られる。「ダンケルク精神を発揮しよう」▼一九四〇年五月、ナチス・ドイツの侵攻で連合軍は仏北部ダンケルク […]
2018年3月29日
「現代における最悪の病は、誰からも求められず、見捨てられているという感情だ」と言ったのは、マザー・テレサだ。この現代の病を、音楽の力で癒やそうとした人がいる。先日、七十八歳で逝った南米ベネズエラのホセ・アントニオ・アブレ […]
2018年3月28日
男がワインの試飲で、製造年とブドウ園まで当てると申し出た。外れたら二軒の家を渡す。その代わり、当たれば「娘さんと結婚を」。小さな村のワインだったので当たりっこないと主人は受けて立ち、書斎から秘蔵のワインを持ってくる。英作 […]
2018年3月27日
その行進で、歌手・女優のジェニファー・ハドソンがボブ・ディランの「時代は変わる」を歌っていた。若い世代が古い時代を変えていく。<今は負けている人もやがて勝利をつかむだろう。時代は変わっていくのだから>。そんな歌だった▼ […]
2018年3月26日
歌人の穂村弘さんが桜の花が咲きそうになると「変に焦る」と書いていらっしゃる。焦る理由は「いつ、桜を見たらいいのか分からない」▼どうせ見るのなら「最高の桜」を見たい。いつがいいだろう。迷っているうちにどんどん時間が過ぎて […]
2018年3月25日
同じ屋敷にいた二頭の犬が友情について論じ合った。一頭がこう主張した。「互いに愛情をもって暮らすことより楽しいことがあるだろうか。いつも友の幸せを自分の幸せと考える」。その言葉に別の犬は感動し、全面的に賛同した。二頭の犬 […]
2018年3月23日
鹿児島県の薩摩半島の南五十キロの海底に、とんでもない怪獣が潜んでいるという。その脅威は、ゴジラの比ではない。直径が十キロ余、高さ六百メートルという巨大な溶岩ドームだ▼このドームをつくっているのは、七千三百年前に噴火して […]
2018年3月22日
福島県の郡山市にある高橋静恵さん(64)の家には、一本の梅の木があった。家族とともに成長し、春を呼んでくれるようにと、自宅の新築祝いに義父が植えてくれたのだ▼梅の木は、三人の子と同じようにすくすく育った。春の訪れを白い花 […]
2018年3月21日
腕に自信のない臆病な下級武士が藩内で人を殺(あや)めた剣術の名人を討ち取らねばならなくなった。まともに立ち合っても勝てる見込みはない-。山本周五郎の『ひとごろし』。どうするか▼武芸者の後をつけ回すことにした。背後から狙 […]
2018年3月20日
その小柄な少年が格闘技を習うようになったのは、自分の身を守るためだったそうだ。最初はボクシング。次にサンボ、そして柔道。もめごとがあれば、けんかになる。理屈ではなく、けんかに勝った者が正しい。そういう世界で暮らすために […]