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峠で雨に降られ、困っていると、傘をさした人が突然やってくる。手招きをし、どうぞお入りなさいという。ありがたい、それではと傘に入ったが運の尽き。とたんにとんでもない場所へと連れ去られてしまうという▼「傘さしタヌキ」という妖 […]

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その男の子は生まれた時から髪の色が白に近い灰色だった。眉も白い。母親は妊娠中に服用した薬のせいだと気にしていたそうだ▼その子が中学に上がる時の保護者同伴の面接試験。母親はその子とトイレに入り、マッチを擦って消し炭にして眉 […]

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 「高漂浪き」と書いて「たかされき」と読む。熊本県水俣のことばだそうだ。何かの声や魂にいざなわれ、さまよい歩く。そんな意味らしい▼その作家はその地元の言葉についてこんな説明をしている。「村をいつ抜け出したか、月夜の晩に舟 […]

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<なぜ、しま模様のある動物がこれほど多いのか?><なぜライオンには、たてがみがあるのか?>。これらはいずれも、英国の名門オックスフォード大学の生物学の入試問題だ▼この大学は入学試験で一万人の受験生一人一人を複数の教官で面 […]

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忘れられぬ「目」がある。今から十七年前、北朝鮮の金正日総書記がロシアを訪問した時に見た、目である▼一行は厳重な警備で守られていたが、西シベリア・オムスクの駅で、ちょっとした手違いが起きた。総書記は既に専用列車に乗り込んだ […]

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<アイ・ラブ・ユー。できるか青年><燃えるような恋をしろ><青年!行け>。いずれも映画「男はつらいよ」の寅さんのせりふから集めた。恋に悩む若者に対する寅さんの指導方法は自分のことは棚に上げ「当たって砕けろ」「なんとかなる […]

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太平洋戦争中、日本国民を苦しませたB29大型戦略爆撃機。米国での愛称は「スーパーフォートレス」。空飛ぶ要塞(ようさい)。強く厳(いか)めしい▼一方、当時の日本人はどう呼んだか。「ビー(B)公」である。この場合の「公」は「 […]

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<がきの折から手癖が悪く、抜け参りからぐれ出して、旅を稼ぎに西国を、まわって首尾も吉野山…>。ごぞんじ、歌舞伎「白浪五人男」。大盗賊日本駄右衛門の一味の忠信利平が悪に手を染めたきっかけを語る▼抜け参りとは、親や奉公先の主 […]

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「八つ当たり」とは、『広辞苑』によれば<誰彼の区別なく八方へ当たり散らすこと>であるが、サルやオオカミ、ハイエナなども八つ当たりをするという▼哺乳類だけではない。最新の研究で、魚も八つ当たりをすることが分かった。総合研究 […]

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すべてのゲノムを、ワープロで文章を編集するように書き換えられる画期的な遺伝子編集技術を発見したジェニファー・ダウドナ博士は、こんな夢を見たことがあるという▼研究について説明を求められ、ある部屋に入ると、そこにはブタの顔を […]

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