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「灯を凝視しつつその美しさを観照したまえ。瞬(またた)きしてこれをいま一度見直したまえ。そこに君の今見ているものは前にはなかった、そこにかつてあったものはもはやないのである」▼そんな言葉を残したのは、レオナルド・ダビンチ […]

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<夢で会うふるさとの人みな若く>。俳号・風天の俳優、渥美清さん。バス停でごろ寝する旅路の寅さんがそのまま詠みそうな句である▼<みな若く>なのは、家族や友が若く元気だったころへの郷愁か。夢から目が覚めた時、懐かしき「再会」 […]

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「血に飢えた獰猛(どうもう)な動物を見ている気分」「このような胸のむかつく見世物(みせもの)」「残忍」-。「ペリー提督日本遠征記」にある。一八五四年三月の黒船来航時、ペリー一行が横浜で見た「胸のむかつく見世物」とは、日本 […]

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江戸端唄の「浅草まいり」は浅草寺周辺の地名などを織り込んだ当時の「ご当地ソング」だろう。<そこが雷門で とんだりはねたりかわったり おもちゃ 仲見世五十軒>▼唄の中の「とんだりはねたり」。かつての大道芸人の曲芸の様子かと […]

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世界では、一年間におよそ八十万人が自ら命を絶っているという。四十秒に一人、世界のどこかで誰かが自死していることになる。その中には、死にたくないのに、自殺を強いられた子どもたちもいる▼ナイジェリア北東部に住むハディザさん( […]

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「だから、おまえさんはものがわからないっていうんだよ。なんだって、そんなものに一分も出して買ってくるんだい。見せてごらんよ。まあ、なんて、汚い太鼓だろう」。おなじみの「火焔(かえん)太鼓」の一席▼商売が下手で損ばかりして […]

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「今日官民上下の大患は、貧の一字に在り、貧の一字、これ流言のもと、腐敗のもと、乖離(かいり)のもと、反目のもと、俗諺(ぞくげん)にいわく暴は貧より生ず」。中江兆民は社会の病やいさかいのすべての原因は貧困であると説いた▼そ […]

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世の中には、実に奇妙で味わい深い単位がある。たとえば、エストニアの船乗りが使っていた単位「パイプ」は、たばこのパイプから煙が出る間に船が進む距離だという▼チベットで「お茶一杯の距離」は、「熱いお茶を入れて、それがさめて飲 […]

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 村上春樹さんの短編小説「UFOが釧路に降りる」の中にサケの皮が大好物というお母さんが出てくる。「私のお母さんは鮭(さけ)の皮のところが大好きで、皮だけでできている鮭がいるといいのにってよく言っていたわ」。ちょっと気味が […]

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11/4 今日の筆洗

小学校四年生の伊藤七瀬さんはピンク色が好きな男の子だ。幼稚園の時、ピンク色のTシャツを着ていたら、女の子に言われたそうだ。「男の子なのに、どうしてピンク色の服なの?」▼なぜそんなことを言うんだろう。お母さんに話すと、こん […]

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