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「焼野の雉(きぎす)、夜の鶴」とは親が子を思う情の深さのたとえである。鶴は寒い夜、翼を広げわが子を温める。キジは巣のある野原に火が付けば、自分の命も投げ捨てヒナを助ける。科学的根拠はともかく、日本人はキジにそんなイメージ […]

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 高校生の男の子が鏡の前で何やら顔に塗りたくっている。石こう、粘土。液体ゴム…。そんな場面を目撃したら、親としてはやや心配になるが、黙って立ち去った方がいい。それが栄冠の道へとつながっていないとも限らぬ▼昨日の米アカデミ […]

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 ボクシング漫画の名作『あしたのジョー』(高森朝雄、ちばてつや)はボクサーに宿命付けられた減量という試練が物語全体の柱になっている▼ライバル力石徹は体格差のあるジョーと闘うため命の危険を冒してまで過酷な減量に挑み、不幸な […]

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山の麓に住んでいたカエルが春になって山の上の別荘に引っ越した。当初は快適だったが、だんだん暑くなってくると、カエルの別荘はカラカラに干上がってしまった-。ロシアの『クルイロフ寓話(ぐうわ)集』の「カエルとユピチェル」であ […]

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<私たちには耳は二つあるのに、口はたった一つしかないのはなぜか。それは、より多く聞き、話すのはより少なくするためだ>と、古代ギリシャの哲学者キプロスのゼノンは説いた▼物理学者にして随筆の名手・寺田寅彦は短文集『柿の種』で […]

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<泣きそうで泣かない坊や春嵐>は、永六輔さんの句。そんな坊やが手足をばたばたさせながら大泣きしたような、きのうの春の嵐▼列島各地で春一番が吹き、ところによっては、夜明けの闇をごろごろと春雷が揺らした。二千句余に及ぶ永さん […]

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「権力は腐敗しがちであり、絶対権力は絶対に腐敗する」との至言を残したのは英国の歴史家アクトン卿だが、ブータン王国のジグメ・シンゲ・ワンチュク前国王は、この名言を原文で一言一句違(たが)わずに覚えていたという▼世界銀行副総 […]

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