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 かわらけ投げとは高いところから素焼きの小皿などを的に向かって投げる遊びで今でもできるところがあるだろう▼落語の「愛宕山」の中にお大尽の旦那がかわらけの代わりに小判を投げる場面がある。この旦那、遊びを極めたいのか「いっぺ […]

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人類はどこまでマラソンの記録を短縮できるかという研究がある。カナダの研究者によると代謝能力や有酸素運動の持続能力、記録更新のペースを考えれば、二〇二八年に二時間を切り、四〇年には一時間五十七分十八秒まで短縮できるのではな […]

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顔を売る映画女優なら、自分の顔を大写しにしてもらいたいものである。大物女優二人が共演すればアップの場面の数を意地をかけて競い合う。よく聞く話である▼その女優はアップを求めなかったそうだ。亡くなった樹木希林さんである。タッ […]

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 蚊を自分の腕にとまらせて、血を吸わせてみる。普通の蚊であれば、かゆみが残るぐらいですむ。が、これが黄熱病患者の血を吸った蚊だったとしたらどうか。考えただけでおっかない実験を一九〇〇年九月、米国の医師ジェシー・ラジアが行 […]

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 作詞家の阿久悠さんは、自らの作品にこんな思いを持っていた。<何十年かたった後に、時代を思い出す最初の扉が歌であればいい>。テレビの番組で語っている。世の中にとって歌とは何かという問いへの一つの答えでもあるだろう▼その言 […]

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 名せりふに富んだセルバンテスの『ドン・キホーテ』に従者のサンチョ・パンサが持ち出すことわざがある。<付き合う相手でお前が分かる…誰の子かにあらず、誰と同じ釜の飯を食っているか、それが問題だ>(新潮社、荻内勝之(おぎうち […]

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<いるかいるか/いないかいるか/いないいないいるか/いつならいるか/よるならいるか/またきてみるか>▼谷川俊太郎さんの「いるか」。イルカと「居るか」を掛け合わせた言葉遊びがゆかいで、子どもたちに人気のある詩である▼イルカ […]

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「ナオミ」という女性の名前は日本以外でも一般的でよく耳にする。英国モデルのナオミ・キャンベルさん、英国女優のナオミ・ワッツさん。古い歌謡曲ファンならイスラエル出身のヘドバとダビデの「ナオミの夢」を思い出す方もいるか▼谷崎 […]

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 <闇があるから光がある>。作家小林多喜二は若いころ、恋人にあてた手紙でそう書いた。北海道小樽市の飲食店で、家族の借金のため、苦労して働いていた不遇の女性だ▼手紙は続く。<闇から出てきた人こそ、一番ほんとうに光の有難(あ […]

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 濃い、淡い緑が広がっているはずなのに、地肌の茶色があちこちでむき出しだ。巨大な爪にそこらじゅう引っかかれたかのような北海道厚真町の姿に驚きと恐怖を覚え、助けを待つ人々の無事を祈る。びっしりと植えられた木々の下から、冷た […]

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