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 仕事を「休まない」とか「無理をしてでも」という価値はその昔、たとえば、高度成長期に比べ、現在はずっと下がっているだろう▼悪いことではない。よい仕事をするためにきちんと休む。無理をして心身を壊しては元も子もない。「休まな […]

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 四月にしてはずいぶん気温が高いと思っていたら、宮城県の気仙沼漁港では先週カツオの初水揚げがあったそうだ。例年よりかなり早い▼<初鰹芥子(がつおからし)がなくて涙かな>。江戸期の不遇の絵師、英一蝶(はなぶさいっちょう)。 […]

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「健康のためなら、死んでもかまわない」。どなたが言い出したのか知らないが、よくできたジョークで、しかも深い。人は時に何が大切かを見失うものか▼矛盾、論理の破綻によって生み出される種類の笑い。こんなのもある。「私は同じこと […]

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社会に出るころには世の中は不況で、「就職氷河期」まで始まってしまう。格差や貧困といった問題にも直面した。「失われた世代」を意味する「ロスジェネ」と言われる人たちだ。生きづらい青年期を生き、今は三十代後半から四十代。逆襲に […]

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 友人を自宅にかくまっていると玄関に殺人者が現れた。何と答えるか。ただし、うそをつかずに。ベストセラー『これからの「正義」の話をしよう』で、著者のマイケル・サンデル教授が取り上げている問いだ▼うそをつくという行為に極めて […]

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作家の永井荷風が軍国主義に染まっていく世の中の変化について書いている。「際立って世の中の変わりだした」のはいつか。それは「霞が関三年坂のお屋敷で白昼に人が殺された」あたりからだろうという▼三年坂の殺人とは一九三二(昭和七 […]

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 「絵に描いた餅」とはいうけれど、やはり、絵の餅でもないよりはましか。落語の「だくだく」はそんな咄(はなし)である▼長屋に引っ越してきた貧乏な独り者、家財道具がないのは寂しいと、絵描きに頼んで、床の間やら箪笥(たんす)、 […]

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 トートバッグとは厚い布製などの手提げかばんのこと。丈夫で、口の広いバッグは使いやすく、買い物や、通学などに愛用している方もいるだろう▼「トート」とはもともと英語の俗語で「運ぶ」という意味らしい。このバッグで何を運んだか […]

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 子どものとき、立ち読みをしていて、ハタキでぱたぱたと掃除をする店主さんに体よく追い払われたという思い出がある人もいるだろう。最近ではあまり見かけぬ光景か。「私も立ち読みの客をよく追い出したっけ」。作家で、古書店を営む出 […]

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 ジョン・デリンジャーといえば、一九三〇年代の米国の有名な銀行強盗だが、このお尋ね者のせいでひどい目に遭った人がいる▼理由は顔。デリンジャーとうり二つだった上にどういうわけか顔のほくろが同じところにあったそうで、何もして […]

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