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二年前に七十五歳で逝った詩人・長田弘さんに、「グレン・グールドの9分32秒」という詩がある。9分32秒とは、天才グールドがピアノで弾いた、ワーグナーの歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第一幕前奏曲の録音時間だ▼< […]

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<おっかな(大塚)びっくり 度胸を定め 彼女に会いに行けぶくろ(池袋) 行けば男がめじろ(目白)押し>…。オールド演芸ファンにはおなじみだろう。四代目柳亭痴楽(一九二一~一九九三年)の「恋の山手線」▼山手線の駅名をシャレ […]

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「ちちんぷいぷい」。言わずと知れた、子どもが転んでどこかを痛めたときに唱えるおまじないで、続くのは「痛いの痛いの飛んでいけ」▼歴史は古く、徳川家光公の乳母、春日局(かすがのつぼね)が使ったのが起源という説もあるそうだ。漢 […]

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英国作家、ロアルド・ダールの短編に「おとなしい凶器」というのがある。凶器がおとなしいとは奇妙だが、読めば、納得する▼殺人に使われる凶器が子羊のモモ肉。離婚を切り出された女性が凍ったモモ肉を夫の後頭部めがけて-。捜査にやっ […]

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作家の村上春樹さんが大学時代、授業の体育実技で選択したのはソフトボールだった。守備は二塁手▼授業で複雑なカバープレーを教えられ、以来、二塁手の魅力にとりつかれたという。<僕が大学で学んだことの中ではあるいは一番有益だった […]

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<東京の屋根の下に住む若い僕らはしあわせもの>。灰田勝彦さんが歌った「東京の屋根の下」(作詞・佐伯孝夫、作曲・服部良一)は一九四八(昭和二十三)年のヒット曲というから、当時お聞きになったのは今の八十、九十代ということにな […]

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旧約聖書の創世記をめぐる、こんなジョークがある。三人の男が言い争っている。医者と建築家と政治家が、自分たちの職業のうち最古の職業はどれかを論じているのだ▼「神はアダムの肋骨(ろっこつ)からイブを作られた。これは手術ではな […]

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無人島に一冊だけ本を持って行くなら、どんな本か。作家の片岡義男さんは『広辞苑』を選ぶという。しかも一九五五年発行の第一版を携えて、南の島に行きたいそうだ▼一九五五年は、まさに高度経済成長が始まった年。そんな年に生まれた辞 […]

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「二〇五〇年に着工できればという話ですが…」と、静岡大学の山極芳樹教授が口にするのは、宇宙エレベーターの建設構想だ▼三万六千キロかなたの宇宙空間に浮かぶ静止軌道ステーションと地表をエレベーターで結ぶ。夢のような話だが、そ […]

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英語の「ワイズマン(WISE MAN)」は「賢人」。では「ワイズガイ(WISE GUY)」は? 正反対の「知ったかぶり」の意味になる▼ほぼ同じ言葉なのに、なぜこれほど意味が異なるのか。その人工知能(AI)システムの開発で […]

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