2018年6月24日
動物の言葉を自由に話せるドリトル先生の物語には幅広い世代のファンがいるだろう。覚えていらっしゃるか。先生に動物語の手ほどきをしたのは、オウムのポリネシアである▼「カカオイイー、フィーフィー」。意味を尋ねる先生に「おかゆ […]
2018年6月23日
記憶は古いほうから順に消えていくわけではもちろんない。年を重ねて、子どもの頃に負った心の古傷が突然開くことがある。戦争の傷ならば、それは強く痛むだろう▼八十八歳の内原つる子さんは五十代で、足が燃えるように痛んだ。沖縄戦 […]
2018年6月22日
草木のない山や魚のいない水のようなものか。欠ければ精彩も消え、全体が別物に思えるものがある。一九四九年、法隆寺が火事に見舞われた際、焼損した金堂の壁画を東京で保存するという国の方針が聞こえてきた▼「持っていかれると法隆寺 […]
2018年6月21日
ロシアはことわざの宝庫だという。森林の国らしく、森のくらしや動物に関することわざ、表現が特に豊かだ。「ヒツジがオオカミを食べることもある」「湿った薪も燃え上がる」。見た目を裏切る強さを示す言葉を『ロシア語名言・名句・こと […]
2018年6月20日
<酒やめてかはりになにかたのしめといふ医者がつらに鼻あぐらかけり>。歌人、若山牧水は酒がやめられなかった。朝二合、昼二合、夜四合。日に一升近くやってしまう。アルコール依存症である▼<酒やめむそれはともあれながき日のゆふ […]
2018年6月19日
英語の表現に「マンデー・モーニング・クオーターバック」というのがある。直訳すれば、「月曜日の朝のクオーターバック」となる▼クオーターバックとはアメリカンフットボールの司令塔役のポジション。この奇妙な言い方で「結果論ばか […]
2018年6月18日
米大統領が居住し、執務を行うホワイトハウスの中に映画館がある。といっても座席は数十席。入場は大統領とその家族やスタッフに限られ、大統領の求めに応じ、どんな作品も上映できるそうだ。最初の上映は一九一五年の「國民の創生」と […]
2018年6月17日
<母は舟の一族だろうか。/こころもち傾いているのは/どんな荷物を積みすぎているせいか>-。詩人吉野弘さんの「漢字喜遊曲」。なるほど、母と舟は親戚みたいに似ている▼この詩はよく似た漢字を集めている。<幸いの中の人知れぬ辛 […]
2018年6月16日
ポーカーは心理戦だ。だから心構えに関する戒めの言葉が、たくさんある。指南書いわく、それは実力と運が共存するゲームであるがゆえに、運による短期のリスクを受け入れ、長期的視野でプレーしなければならない▼だめなのは「負けを取 […]
2018年6月15日
昔、近づくと怖かった場所がある。近所の商店街から駅に向かう道に、いわゆる組事務所があって、回り道をしろと親には言われた。子ども心に恐怖を覚え、一も二もなく従ったものだ▼そこで悪の謀議がなされていたのかは、知り得ないも […]