2018年3月6日
高校生の男の子が鏡の前で何やら顔に塗りたくっている。石こう、粘土。液体ゴム…。そんな場面を目撃したら、親としてはやや心配になるが、黙って立ち去った方がいい。それが栄冠の道へとつながっていないとも限らぬ▼昨日の米アカデミ […]
2018年3月5日
ボクシング漫画の名作『あしたのジョー』(高森朝雄、ちばてつや)はボクサーに宿命付けられた減量という試練が物語全体の柱になっている▼ライバル力石徹は体格差のあるジョーと闘うため命の危険を冒してまで過酷な減量に挑み、不幸な […]
2018年3月4日
山の麓に住んでいたカエルが春になって山の上の別荘に引っ越した。当初は快適だったが、だんだん暑くなってくると、カエルの別荘はカラカラに干上がってしまった-。ロシアの『クルイロフ寓話(ぐうわ)集』の「カエルとユピチェル」であ […]
2018年3月3日
<私たちには耳は二つあるのに、口はたった一つしかないのはなぜか。それは、より多く聞き、話すのはより少なくするためだ>と、古代ギリシャの哲学者キプロスのゼノンは説いた▼物理学者にして随筆の名手・寺田寅彦は短文集『柿の種』で […]
2018年3月2日
<泣きそうで泣かない坊や春嵐>は、永六輔さんの句。そんな坊やが手足をばたばたさせながら大泣きしたような、きのうの春の嵐▼列島各地で春一番が吹き、ところによっては、夜明けの闇をごろごろと春雷が揺らした。二千句余に及ぶ永さん […]
2018年3月1日
「権力は腐敗しがちであり、絶対権力は絶対に腐敗する」との至言を残したのは英国の歴史家アクトン卿だが、ブータン王国のジグメ・シンゲ・ワンチュク前国王は、この名言を原文で一言一句違(たが)わずに覚えていたという▼世界銀行副総 […]
2018年2月28日
『Wの悲劇』などの作家、夏樹静子さんは書店に入るのが苦手だったそうだ。理由がある。書店にずらりと並ぶ新刊本の数々。あれを見ると、あの本も読みたい、この本も読まなければと、心が落ち着かなくなるのだという▼夏樹さんの焦りがよ […]
2018年2月27日
明治期のある「新聞」の一本の論説記事を一字一句暗記している。と書けば、読者は尊敬の念を抱き、小欄の株も少しぐらいは上がるか。残念ながらトリックがある▼明治のジャーナリスト宮武外骨の「滑稽新聞」。一九〇五(明治三十八)年 […]
2018年2月25日
日本で最も古い校歌とされるのは東京女子師範学校(現お茶の水女子大学)のもので一八七八(明治十一)年にできたそうだ。これが第一号とすれば日本の校歌の歴史は百四十年である▼渡辺裕さんの『歌う国民』(中公新書)によると小学校を […]
2018年2月24日
「トランプ・スランプ」と、いわれているらしい。米国の銃器メーカーの売り上げが、ここ一年で軒並み激減しているというのだ▼米の銃器業界にとって銃規制の強化を図ったオバマ大統領の時代は、実は黄金時代だったという。乱射事件が発生 […]