2018年7月23日
徳川幕府創成期、京都奉行だった板倉勝重のところに、博打(ばくち)で大負けした男が「生きていけません。金を取り返してもらえませんか」と訴えた。『江戸の名奉行』(丹野顯(たんのあきら)さん)にあった▼当時、博打は無論ご法度 […]
2018年7月22日
シーン1 一九五五年、山手線車内(真夏) 男がつり革につかまり、前の席で居眠りをする女を見つめている。電車が揺れ女が目を覚ます。女「(立ち上がり、つり革の男とぶつかり)どうも、失礼」 男「いいえ(なおも女から目を離さない […]
2018年7月21日
口では立派なことを語っていながら、正反対のことをやっている。そんな人々には、イソップも厳しい。キツネときこりの寓話(ぐうわ)だ▼狩人に追われ、キツネが逃げてきた。きこりは小屋に隠れるよう勧める。狩人が来ると「見ていない […]
2018年7月20日
これは度を超えている。心の中でそう繰り返してしまう。連日の暑さである。頭の上からあぶられ、照り返しにやられ、ビルの影に身を寄せても、熱い風があおってくる。一瞬、逃げ場を見失う。こんな暑さが、子どもを含め多くの命を奪ってい […]
2018年7月19日
「モトシキ」という専門用語が演劇界にはある。ロシア語のようだが、日本語である。せりふが明瞭で鍛えられた俳優のことをそう呼ぶ▼「元四季」。劇団四季の出身者のことである。それほどその劇団の訓練は厳しい。「観客に聞き取れないセ […]
2018年7月16日
電車は混み合っている。若い女性が持っていたバッグにぶら下がるトレードマークに目が留まる。MとKの文字を組み合わせて作ってある。どこかで見たことがある▼あれは「メタクソ団」のバッジと確信する。四十年ちょっと前の漫画の登場 […]
2018年7月15日
次の英文を訳しなさい。<YOU MIGHT OR MORE HEAD TODAY’S HOT FISH>-▼分からなくてもお気になさるな。でたらめな英語で一種の駄じゃれ。これで、「言うまいと思えど今日の暑さかな」。HEA […]
2018年7月11日
司馬遼太郎の『関ケ原』で描かれる石田三成は切れ者だが、どうも、不器用な人物である。よく言えば、真面目で筋が通っている。悪く言えば、融通が利かぬ。そして関ケ原で大敗する▼ドラマ「関ケ原」で三成を演じた俳優のところに母親から […]
2018年7月9日
「雨禁獄(あめきんごく)」とは雨を獄に閉じ込めることで、白河法皇の故事に由来する。ひどい雨のせいで自分の行幸を何度も延期せざるを得なくなった法皇は腹を立てて、降る雨を器の中に入れ、それを監獄に置いて罰したと、源顕兼の「古 […]
2018年7月6日
冷戦期には、今では考えられないような米ソの逸話が残っている。一九七〇年、米国の高官ハルドマン氏の部屋に、同じく高官だったキッシンジャー氏が駆け込んだ。「大統領に会わなきゃいかん」。手にキューバの航空写真。港の近くに、サ […]